弁理士試験 論文試験の対策、勉強法 5
獲得得点の安定化
短答本試が終了し、論文本試まで1か月と少し、この時期、多くの方が直前系答練を受けておられると思います。
その際、心がけてみてほしい事項があります。
獲得得点の安定化です。
自分が知ってる論点等が出題された場合には高得点を稼ぐことができるが、そうでない場合はからっきしダメ、という状態では、本試では足切りにかかる危険性があるし、そもそも論文突破自体が博打的になってしまいます。
本試が近づくこの直前期においては、高得点を獲得することを狙うのではなく、知らない論点等が出題された際に、条文に基づき、条文を最大限利用して、なんとかかんとか論述し、最低でも50点以上を稼げるようにトレーニングすることが大切だと思います。
最近の本試においては、過去問にない形の問題も多く出題され、本番当日、問題をみた瞬間に驚いてしまい、普段、過去問や過去問を少し加工したような問題では高得点を獲れていた方も、自分の実力を出せずに、足切り点以下の点しか獲得できない場合も多いと思われます。
そういったリスクを回避し、自分の実力を最大限発揮できるようにするためにも、ぜひ、上記のトレーニングにトライしてみてください。
よろしければ参考にしてみてください。
問題文の読み方
論文問題の問題文を読む際には、常に、どの条文に関係がある事実が述べられているのかを頭に思い浮かべるようにすると、その後の答案構成作成、答案作成を効率的に進めることができると思います。
試験問題作成者の方々は、まず、どの条文について書かせようかを考えてから、問題文の文言を考えていくことがほとんどです。
そうすると、問題文の中の各フレーズが、条文のどれかの要件を構成する要素になっているのです。
したがって、試験問題作成者の方のプロセスを逆に遡っていくこと、すなわち、問題文の中の各フレーズがどの条文に関係があるのかを考えながら問題文を読んでいけば、問題文を読み解くこと、出題者の意図を読みほどくことができると思います。
具体的な方法としては、問題文を読みながら、その中の気になるフレーズを答案構成用紙に挙げていきます(問題文に書きこんでいってもOK)。
次に、そのフレーズ群から想定される条文を導き出します。
そして、その条文の法解釈や関連する論点を導き出し、それらの中から必要なものを答案に記していきます。
この中で、「フレーズ群から想定される条文を導き出す」ことが一番難しいと思います。
これは一種嗅覚のようなものなので、数をこなして鍛錬するしかないと思います。
様々な問題にあたってみて、この嗅覚の精度を高めていってみてください。
よろしければ参考にしてみてください。
論文試験まであと1週間の時には
弁理士論文試験まであと1週間。
受験生の皆さん、最後の準備の状況はいかがでしょうか。
残り日数が少ないので、もう新たなことには手を出さず、基本的事項、重要事項を中心に復習をして、本試では使えるレベルに高める努力をすることが大切だと思います。
ただ、その際の注意事項としては、答練等での頻出範囲や条文に限らず、周辺の条文についても一通り復習をしておいてください。
最近の本試ではこれまでほとんど出題されていない範囲や条文からの出題の割合も多く、本試当日、問題を見た際に驚きのあまり自分本来の調子を崩し、自分の実力を出せないで終わってしまうことを回避するためです。
自分の力が出せきれずに終わってしまうほど後から悔しい思いに悩まされてしまうことはありません。
直前時期に一度でもいいから頭にイメージした条文やその周辺知識については、本試のときに、きっとよい手掛かりになります。
特に、特許法ではよく出題される範囲や条文について実用新案法や意匠法、商標法が準用しているもの、更に、少し読み替えて準用しているものは要注意だと思います。
特許法で出題されればお手のものでも、他の法域で出題されると意外とできないか、論述するのに時間がかかるものです。
この直前期に、今一度、そういった分野の見直しを行い、他の法域で出題された際の問題とその解答をイメージしておくとよいと思います。
ラストスパート、がんばってください!
効率よく勉強を進めるためには、受験機関の利用も一つの手です。
以下に紹介していますので、ご参考までご覧ください。