弁理士試験 論文試験の対策、勉強法 4
法的三段論法
法的三段論法(演繹法)の例として、
というのがあります。
1.の大前提(規範定立)、2.の小前提(事実)から3.の結論(あてはめ・効果)を導くものです。
すなわち、条文があって、その条文に規定されている要件に沿う事実を探してきて、それをあてはめれば、法的効果を導きだすことができるというものです。
今回、注目したい部分は、この「要件に沿う事実」を探すという点です。
意外とこの点が難しいです。
最近の論文試験においては問題文が長文化しているため、沢山の情報が問題文に散りばめられています。
その中で、この「要件に沿う事実」部分をうまく抜き出してきて、答案に記載し、大前提となる条文と、結論となる法的効果を記載すれば、論点記載を完成することができます。
ところが、この「要件に沿う事実」とは異なる事実部分を(も)ついつい論文に記載してしまうことが多々あります。私もそうでした。
具体的には、上記のソクラテスの例で言えば、「ソクラテスは人である」 という事実部分だけで充分であるにもかかわらず、「ソクラテスは男である」とか「ソクラテスは哲学者である」などの事実も記載してしまうことです。
この事実は間違ってはいないのですが、答案用紙に記載すべき論点に必要な事実ではないため、答案用紙に記載する必要がないのです。
その事実がなくても、「ゆえに、ソクラテスは死すべきものである」という結論は導けるため、記載不要なのです。
以前に書かれた自分の答案を見返してみてください。余計な事実部分を記載していませんでしょうか。
よろしければ参考にしてみてください。
レジュメ等のセレクション
論文試験に向けて答練等を沢山受けているとレジュメが相当数溜まってきていると思います。
本試直前期にはこれらすべてを見直すことは時間的に難しく、そのため、セレクションすることが重要となってきます。
セレクションの際には、以下の点が盛り込まれているかを考慮されるとよいかと思います。
直前期はこれらのレジュメ等に記載されている解答を単純に暗記するのではなく、あくまでも、レジュメ等を材料にして、それらの記載されている前記3項目について再度理解し直すことが大切です。
本試では、レジュメ等の記載そのままが出題され、正解となる場合がほぼないと思われます。
少しひねった問題等を出題されたとしても、事前に理解した内容をベースとして論述すれば対処できると思います。
よろしければ参考にしてみてください。
短答から論文までの6週間
短答本試が終了し、論文本試まで6週間あります。
6週間は長いようで実は短いです。あっという間に過ぎてしまいます。
この6週間をうまく使えた場合には、実力が大幅に伸びる方も沢山おられます。
うまく活用するためには、この6週間についてあらためて計画を立ててみるとよいと思います。
その際、例えば、6週間を2週間ずつの3つのフェーズに分けて、以下のような色分けをするのも一案だと思います。
最初の2週間: 論文の勘を取り戻す期間
論文過去問や予備校の答練問題の答案構成
模範解答を「読む」
- 読むことによって論文特有の記載の流れ等を思い出すようにする
1日1通ぐらいは全文書き
- 筆力回復のため
短答本試の復習
- 論文で同じ分野の問題が出題される可能性があるため)
中間の2週間: 数をこなす期間
とにかく沢山、答案構成を行い、時間のある限り、全文書きにも取り組む
- 時間感覚の習得、論点等の網羅的理解&暗記
最後の2週間: 仕上げの期間
答案構成や全文書きの量は少し抑える
- 疲れすぎると本試で実力を発揮できなくなるため
条文読み込み
- やはり最後は条文が大切
審査基準や判例など基本事項の復習
- この時期にさっと見直しておくと意外と本試で助けられます
要点集などまとめたものをお持ちの方は最後はそれを信じてそれをじっくりと読み込む
よろしければ参考にしてみてください。
効率よく勉強を進めるためには、受験機関の利用も一つの手です。
以下に紹介していますので、ご参考までご覧ください。