弁理士試験 短答試験の対策、勉強法 2
短答試験における捨て科目
短答試験の勉強を効率的に進めるために捨て科目を作ることがよく主張されています。
この考えには私は反対です。
効率的な勉強のためには科目間の優先順位付けは必要ですが、決して捨てるべきではないと考えます。
理由は以下の2つです。
1.については、四法で更に数点挙げるよりも、よく捨て科目の候補に挙げられるTRIPsや著作権法などで数点挙げるほうが楽だと思うからです。
ある程度、短答合格レベルに近い方々は、四法で6・7割の正解率を確保できるようになっていると思います。
その状態で更に数点挙げるとなると、私の経験上、かなりの質・量の勉強が要求されると考えています。
一方、捨て科目について全く勉強していない状態で当てずっぽうだと単純な正解率は2割から3割だと思います。
そして、少しでも法律の概要や条文に目を通すことをすれば少なくとも半分前後まで正解率を上げることができると思います。
全く勉強していない場合に比較して、少しでも勉強した場合は、枝を切るときのヒントを得られ、悩む選択肢の数を減らすことが可能だからです。
また、捨て科目にされることが多い科目は、条文そのものの内容で枝を切れるものが多いこともあり、その点でも四法で得点率を上げるよりも容易いと考えます。
次に、2.についてですが、弁理士試験受験生の方の一般的な目的は、弁理士試験合格ではなく、試験合格は一通過点であってその後弁理士になってその関連業務を行うことであると思います。
そして、試験科目に上げられているということは、弁理士に対してその科目の知識は必須扱いになっていると考えることができると思います。
そうすれば、やはり、どの科目も捨てられないのであり、概要レベルでもいいから勉強しておくべきだと考えます。
試験合格しなければ何も始まらないし、と意見される方も多数おられます。
確かに、おっしゃるとおりなのですが、私としては、ほんとにそれでいいのですか、と問いたい。
試験合格が目的でなく、その後が目的なのだから、その後に必要とされるものは試験合格までに身につけておくことべきだと考えるからです。
真面目過ぎで馬鹿らしいと言われる方も多いと思いますが、私はそう考えます。
また、捨て科目に挙げられるような科目は合格後勉強すればよい、との意見もあります。
しかし、合格後にあらためてそれらの科目について勉強されている方は多くないと思います。
試験合格後に試験科目について再度勉強するためにはよほどのモチベーションの持ち主でないと難しいと思うからです。
以上は私の考えであり、これが唯一の正論であるとは思いません。
何がよいか判断するのは受験生の皆さん自身だからです。
私の意見も含め、多数の意見を吟味して、自分に合うやり方を採用し、それを信じてきちんとこなすことが大事だと思います。
よろしければ参考にしてみてください。
復習時の留意事項
短答試験の過去問や答練問題の復習時に、解説を読むと思いますが、その際には、できるだけ、その問題(枝)に直接関係する条文はもちろん、その周辺の条文も確認するようにしてみてください。
「周辺」とは、条文番号的な意味での周辺のほか(例えば、特29条1項に対して、特29条2項や特29条の2など)、規定面での周辺(例えば、関連意匠に関連する条文群など)を意味します。
過去問や答練問題は、その問題(枝)そのものに関する知識を深めるためだけに使うことはもったいなく、ついでにその関連事項も勉強するための一種の材料として使うことが大事です。
そうすることで、過去問や答練問題で出題されていない新しい問題が本試で出されたとしても、対応できる素養を身に付けることが可能となります。
よろしければ参考にしてみてください。
準用条文 読替準用条文も大切に
弁理士試験全般について言えることですが、特に短答試験向けに意識していただきたいのは、準用条文や読替準用条文です。
これらに関する問題は結構出題されます。
なぜなら、読み替えられた条文自体は法文集には掲載されておらず、自分で読み替えてみる必要があるからです。
法文集を読んでいても、ついつい飛ばしがちなこれらの部分から出願すれば、法文集をきちんと読んでいるかを容易に判断することができるからです。
したがって、条文読込みの際には、きちんと準用してみて、あるいは読み替えてみてください。
面倒くさいと思っても、最低一度はやってみてください。
そして、意外と得点アップの貢献度が高いことに気付くと思います。
他の条文や論点等を知らなくても、準用元の条文の内容を理解していれば、それを少し応用するだけで覚えてしまえるものが多いからです。
短答試験に向けて、早い時期にぜひ一度は取り組んでみてください。
よろしければ参考にしてみてください。
効率よく勉強を進めるためには、受験機関の利用も一つの手です。
以下に紹介していますので、ご参考までご覧ください。